「訪問理美容」と聞いて、あなたはどんなイメージをされるでしょうか?
「ハードで大変そう」「フルで働かないといけなさそう」そんなマイナスイメージの声も少なくないこの業界。しかし、その実際はイメージを覆すものでした。
実は、あなたにぴったりの働き方ができる職場かもしれません。まずは知るところから始めてみませんか?
今回ご紹介するのは「一般社団法人 きれいや総研」三田センターでのお仕事。母体は全国区で、各地域にセンターを置く地域密着型です。
その実績は、2017年度ユニバーサルマナーアワードに表彰されるほど。
三田センターでは、三田・北神戸エリアの施設、お宅へお伺いしています。今回は「サンヒルズ八景一番館」さんでの施術日に密着させて頂きました。
感動を生む仕事
初めにお話を伺ったのは、三田センター代表の清本さん。
普段はネイリストとして、ウッディタウンで複合型サロン「mint Nail&Body&Hair」を運営されています。数年前、この訪問理美容の業界を知ったとき、大きな可能性を感じたと言います。
「三田ではまだまだ発展していない業界。でも需要はすごくあるので、自分にもできることをしたい、と思ったのがきっかけでした」
「私たちが接する利用者様は、ほとんどが施設から外出することが難しく、自由に美容室へ行けない方が多いんです。そのためか、いただく感謝や感動が大きいなと感じています」
仰る通り、みなさんお顔がとっても嬉しそう。まるですごく良いことがあったかのような、満面の笑顔が印象的でした。
「キレイになる権利ってどこにでも誰にでもいつでもあるんです。元気な私たちが出向いていくことで、それが実現できて笑顔が生み出せる。何よりのやりがいですね」
清本さん自身も、楽しんでお仕事をされている様子が伝わってきました。
お仕事の流れ
施設にはどこでも、基本的にお昼休みがあります。訪問理美容のお仕事は、そのお昼休みまでの午前中がほとんど。以下は実際に撮影にお伺いした日のスケジュールです。
【9:00】「サンヒルズ一番館」現地集合。到着後、順次施術の準備を始めます。

事前に予約表をチェックして、流れを把握しておきます。
【9:30】利用者様が来られ始めました。予約順に施術開始。
【11:30】最終のご予約の方の施術終了。少しずつ片付けに入ります。
【12:00】現地解散。お疲れ様でした!
このように、残業も少なく午前中がメインのお仕事。
訪問理美容では介護のスキル・知識があれば尚良しですが、これもお仕事をしながら少しずつ覚えていけば大丈夫とのこと。
理美容師の資格さえあれば、すぐにでもお仕事を始められるそうです。
それぞれの働き方
実際に働くスタッフさんにもお話を伺いました。
まずは、1年ほどお仕事をされている主婦の松下さん。
以前清本さんのお店「mint」でスタイリストとして働かれていた繋がりからこちらへ。育児・家事をしながらでも働けそうなのが決め手だったと言います。
「午前中だけなので、普段の生活に支障なく働けてます。帰ってちゃんと家事もできるので、リズムが合ってるんだと思います」と松下さん。
無理なく働けるのは、忙しい主婦にとって大事な条件です。
続いては、もとは別のサロンでスタイリストをされていた、同じく歴は1年ほどの高島さん。
外に出る仕事がしたい、と訪問型の福祉美容に興味を持ち、一番最寄りだったきれいや総研に入社を決めたそうです。
「サロンでの仕事との違いは、感謝がとても大きいことですね。施術した利用者の方だけでなく、施設の方もすごく喜んでくれるんです」
「ご高齢で身体の状態に合わせたサポートや、事前に把握しておくべきことがあったりと気遣いが必要ですが、それ以上にやりがいが大きい分、仕事が楽しいです」と高島さん。
今後は、清本さんの美容室「mint」でのお仕事と両立しながら、それぞれでスキルを伸ばしたいとお話してくださいました。
高島さんのように「mint」での勤務も可能な他、カットの練習などにもお店を使えるそう。十数年続く人気の美容室のバックアップもある、安心の仕事環境です。
人間性が豊かになる仕事
最後に、清本さんが印象的なエピソードをお話してくださいました。
「利用者の方は自分より年配の方、人生の先輩が多いです。今は学べることのほうが多いですね。みなさま本当にいろんな経験をされているから、自分が持っていた小さな悩みもしょうもなく思えたり(笑)」
「施設によってもさまざまで、人生最後のカットを担当させて頂くこともあるんです。今まで感じたことのないような思いが込み上げてくるのですが、そのたびに人間性が豊かになっていくのを感じてますね」
今後高齢化が進む中で、もっと需要が高まると予想されている訪問理美容業界。人だからできる、あたたかいお仕事がここにもありました。
あなたのスキルと笑顔で、こんなにも人を幸せにできるお仕事です。
ちょっぴりの勇気と楽しむ気持ちを持って、一緒に働いてみませんか?